合宿型セミナー:
相互作用の幾何、トレース付きモノイダル圏と非明示的計算量

日時平成21年8月24日(月)午後1時20分オープニング
午後1時30分最初の講演
平成21年8月28日(金)午前12時00分クロージング
クロージング後昼食があります。
会場 関西セミナーハウス

研究計画の背景

1988年にGirardが発表したGoIはカット除去のダイナミズムを捉える事を目的 とした線形論理の幾何学的モデルである。初期のGoI はC*代数により実現され ていたが、Abramsky, Haghverdi, Scottらの分析によりその数学的基盤が Joyal, Street, Verityらのトレース付きモノイダル圏にあることが分かり、 公理的な形でGoIは整理された。その後GoI は Lampingの考案したラムダ計算 の最適簡約のモデル (context semantics) と非常に良く対応している事が分 かり (Gonthier, Abadi, Levy 1992)、また1990年代に台頭した非明示的計算 量の理論 (PやPSPACEなどの計算量クラスを、具体的な機械モデルや数値量に 依存せずに特徴づけ、計算量クラスの質的な理解を目指す試み) においては Dal Lago, Schoeppらの最近の研究からGoIが革新的成果につながる可能性のあ る有用なツールであると認識されつつある。幅広い展開を見せているGoIだが、 前者の圏論的抽象化と後者の具体的なGoIの応用の間にまだ十分な相互理解が 形成できていないのが現状である。本研究ではそれぞれの方面で先駆的な仕事 をした研究者による講演と、合宿型セミナーの特徴を生かした集中的な議論を 通じて研究者同士の相互理解と情報交換の場を設け、GoI研究の深化と発展に 貢献することを目指している。

問い合わせ先

勝股 審也 京都大学数理解析研究所 Tel: 075-753-7282

2009/7/10更新